ホワイトペーパー

概要

 本プロジェクトは、資金決済法上の「自家型前払式支払手段」としての日本円連動型ステーブルコインの発行を提案するものです。近年、ビットコインやイーサリアム等の暗号資産による決済が認知されるようになってきましたが、価格変動の大きさ等により、実社会の利用シーンにおいては多くの問題があります。これらの問題に対して、日本国内においても、JPYC等の円連動型ステーブルコインが発行されているものの、そのユーザーは主に日本国内に限定され、グローバル市場における暗号資産のメリットを活かしきれていません。そこで当社では、前払式支払手段としての円連動型ステーブルコイン「JPYW(World)」を広くグローバル市場に向けて発行し、暗号資産と実体経済の架け橋の構築を目指します。

1 プロジェクトの動機

1.1 暗号資産と実社会の壁

 2008年、「P2P電子通貨システム」としてビットコインが誕生しました。ブロックチェーン技術を活用して、P2Pーつまり金融機関の介在なしに利用者同士が直接的に決済をおこなうことを目指したビットコインでしたが、実際には大きな価格変動リスクや決済スピード、決済手数料の高騰等の問題により、実社会での決済利用には向かない実態が浮き彫りになってきました。以来、ブロックチェーンを活用した決済手段は世界中で議論され、さまざまな角度からさまざまなソリューションが生まれてきました。このうち、暗号資産の大きな価格変動リスクに対する処方箋として発明されたのが、価格が法定通貨に連動するように設計されたステーブルコインです。
 ステーブルコインは、イーサリアムのブロックチェーン上で、ERC20トークンとして発行されることが一般的です。しかし、 Tether社が発行するUSDT等、現行のステーブルコインはUSD連動型が基本であり、日本国内での利便性の低さが課題となっています。そこで本プロジェクトでは、資金決済法上の「自家型前払式支払手段」として、価格を日本円に連動させたステーブルコイン「JPYW」を発行します。これにより、暗号資産、および現行のステーブルコインが直面している「社会での実用に向かない」という壁を取り払います。

1.2 国境の壁

 暗号資産は、個人がもつ暗号資産のウォレットを介し、従来の仕組みと較べて迅速かつ低コストで、いつでもどこでも自由に決済できるという「ボーダーレス」な特長を持っています。しかし、ビットコインなどの伝統的な暗号資産には前述したような価格変動リスクが存在し、自由に移動した暗号資産を実社会の中で利用するには、さまざまな問題がありました。
 一方で、暗号資産市場の時価総額は2021年末に約340兆円に到達し、暗号資産ホルダーの増加は勢いを増すばかりです。JPYWは、リスクオフ通貨の代表格でもある円に連動したステーブルコインとして、グローバル市場における暗号資産の利用ニーズを満たします。
 

1.3 現在と未来の壁

 現代にあっては、「お金のあり方」も徐々に変化を見せています。キャッシュレス化が進み、さまざまな商取引がインターネット上で行われるようになりました。
 また、現在は絵画、写真、動画、音楽等のデジタルコンテンツがNFT( Non-Fungible Token=非代替性トークン)としてインターネット上で取引されるようになり、その市場は拡大の一途をたどっています。将来、デジタル化・キャッシュレス化の流れと暗号資産は、切っても切り離せない関係になるでしょう。
 こうした中で、JPYWを使用することは、まさに未来生活の一部を体験することでもあるのです。私たちは現実的に利用可能なステーブルコインとしてJPYWを発行し、現在と未来のデジタルライフをつなぐハブとしての役割を担います。

2 JPYWのソリューション

2.1 価格維持を実現する仕組みについて

 JPYWは資金決済法上の「自家型前払式支払手段」です。当社は、JPYWを基本的に1JPYW=1円となるように設計しているため、ユーザーは従来の価格変動リスクから解放され、前払式支払手段としての決済手段として使用することができます。このような決済手段としての機能を維持するための、JPYWの価格維持を実現する仕組みについて説明します。

2.1.1 1JPYWが1円を下回る時

 JPYWが非中央集権分散型取引所等にて二次流通した場合等、1JPYWの価格が長期間平均して1 円を下回る場合があります。この場合、当社は次のいずれかの方法により、価格の上昇を試みます。
 ・資金決済法に定められた供託金(基準日未使用残高の 50 %)以上の供託金を法務局に供託する方法。
 ・資金決済法に定められた金融機関保証を受ける方法。
 当社は、本プロジェクト開始当初は、資金決済法に定められた供託金を法務局に供託します。今後、供託金額が増加した場合は供託後に当社サイト等にて告知します。
 これにより、当社が倒産した場合等でも、JPYWのユーザーの権利が害される可能性を低減できると考えております。なお、これは当社が発行、販売したJPYWの元本保証を約束するものではありません。

2.1.2 1JPYWが1円を上回る時

 JPYWが非中央集権分散型取引所等にて二次流通した場合等、1JPYWの価格が長期間平均して1 円を上回る場合があります。この場合、当社は次の方法により、価格の低下を試みます。
 ・当社サイトにて1JPYW=1円での売却を続ける方法。
 また、上記にかかわらず、長期間二次流通した1JPYWの平均価格が1円を上回っており、かつ、当社が資金決済法が要求する供託額を超える供託金(以下、過剰供託金といい、金融機関保証を含みます)を供託している場合には、過剰供託による資金効率低下を防止する目的で、事前に当社サイト等で告知の上、過剰供託金の一部(30%以下の範囲で平均二次流通価格が1円を下回らないと当社が判断した金額)を取り崩すことがあります。

2.1.3 初回に発行したJPYWの大部分が市中に流通したとき

 当社は、初回発行として、10億JPYWの発行を見込んでおります。
 その後、あらかじめ決定された割合まで市場にJPYWが供給された場合、当社は、2.4に記載のとおりJPYWを追加発行していきます。

2.1.4 発行者が発行の業務を廃止したとき

 当社がJPYW発行の業務を廃止した場合、資金決済法その他の法令に従い、当社は、ユーザーに対して1JPYW=1円で払戻しをおこないます。

2.1.5 発行者が破産したとき

 当社が破産するとJPYW は使えなくなりますが、ユーザーの保有残高はイーサリアムブロックチェーン上に記録され続けています。未使用分がある場合は、破産手続き上で、ユーザーに金銭を払戻しする手続きが取られることになります。
 当社は、資金決済法上求められる発行保証金を、適切な時期に法務局に供託し保全いたします。当社が破産した場合、当社は、ユーザーに対し還付手続をおこないます。ユーザーは還付手続に基づき払戻しを受けることができます。

2.2 JPYWの法的性質

 JPYW は日本国の法令に基づき設立された株式会社であるPassPay株式会社により発行される自家型前払式支払手段です。通貨建資産であるため、資金決済法上の暗号資産には該当しません。
 なお、現在はDeFi(分散型金融)市場が急拡大しており、分散型取引所(DEX)が一定のユーザーを獲得しています。JPYWはERC20等トークンであるため、理論上は分散型取引所等を通じて二次利用が可能ですが、当社はユーザーによるJPYWの二次利用を推奨するものではありません。

2.3 JPYWの利用方法

 当社ECサイトの利用
 当社が運営するECサイト上で、1JPYW=1円として物品の購入またはサービスの提供を受けることができます。

2.4 JPYWの発行量

 当社は、初回発行として、発行上限1億JPYWを発行いたします。JPYWの発行上限の 9 割以上が外部に流通した段階で、順次、JPYWを追加発行することを予定しています。なお、JPYW はERC20等トークンであり、追加発行をおこなうことによるコントラクトアドレスの変更はありません。

3 JPYW の購入方法

 JPYWの購入方法は、現在、以下の2通りです。
 ・当社サイトから日本円で購入
 ・当社サイトから暗号資産で購入(今後導入予定)
 当社サイトを通じて、1JPYW=1 円として購入することが可能です。但し、意図せず二次流通市場において1JPYW=1円を大きく上回る、または下回る価格で継続的に取引されている場合には、原因が特定されるまでの間、一時的に販売を休止する場合があります。

4 JPYW のガバナンス

 JPYW の発行および流通に関する重要事項は、発行体(当社)の役員やアドバイザリーチーム等の専門家らの協議に基づいて決定されます。アドバイザリーチームには、弁護士、税理士、元暗号資産交換業者、コンサルタント等が就任しており、専門的な知見をチーム全体に共有しています。

5 発行体について

 会社情報
・設立日:2022 年 2 月
・本社:東京都港区六本木7‐7‐7
・資本金:200 万円
・事業内容:自社ECの運営/前払式支払手段の発行

6 免責事項

 JPYWの保有及びご利用に当たっては、一定のリスクが存在します。あらかじめ、以下の各リスクをご了承いただくようお願いいたします。また、当社は、以下の各リスクによりユーザーに損害が生じた場合でも、一切の責任を負わないものとします。

6.1 JPYWの財産的価値そのものに関するリスク

 JPYW は資金決済法上の自家型前払式支払手段として発行されたものであり、資金決済法上の暗号資産、金融商品取引法上の有価証券・金融商品その他いかなる投資商品として発行されたものでもありません。そのため、当社所定の使途以外に使用できることが保証されているものではなくユーザー間の決済には利用できません。
 また、JPYW は、ERC20 等の規格に従って発行されているため、ERC20等の規格を受け入れている各種外部サービスにおいて JPYW を処分等することができますが、当社はこれを推奨しまたは保証するものではありません。ご利用いただくにあたっては、JPYW ユーザーにおいて、自らの責任と権限のもと、自己運用として外部サービスをご利用いただくようお願いいたします。

6.2 秘密鍵の喪失によるJPYW損失リスク

 JPYWはその利用にあたり秘密鍵が必要となります。そのため、秘密鍵自体または秘密鍵の組合せを喪失した場合は、JPYWの利用ができなくなります。秘密鍵の管理は、ユーザー自らの権限と責任においておこなってください。ユーザーの JPYW が保管されたウォレットに関連づけられた秘密鍵の喪失は JPYW そのものの喪失を意味します。ユーザーに対するフィッシング攻撃や、利用端末に対する JPYW はマルウェア攻撃、DoS 攻撃、合意ベースの攻撃その他の様々な形での攻撃により、JPYW 喪失等の被害を受ける可能性があります。

6.3 イーサリアム等プロトコルに関連するリスク

 JPYW はイーサリアムプロトコルである ERC20等の規格のもと発行されています。そのため、イーサリアムプロトコルの誤作動、故障または不具合によって JPYW が一時的に使用できなくなる等の重大な悪影響を及ぼす場合があります。また、JPYW を使用するためにはイーサリアムネットワーク上での取引時に取引手数料(GAS代)が必要となるため、イーサリアムネットワークの混雑等、当社とは関係のない原因によって取引手数料(GAS 代)が高騰し、取引手数料(GAS代)が高額になる可能性があります。

6.4 マイニング攻撃のリスク

 他のパブリックチェーンプロトコルに基づく分散型暗号トークンと同様ですが、JPYWは、ブロックチェーン上でのトークントランザクションの検証中にマイニングによる攻撃の影響を受ける可能性があります。これにより、JPYW に関するトランザクションの記録等に対して改ざんのリスクが発生する可能性があります。

6.5 法令等の変更および課税リスク

 JPYW に関連する法律、政令、法令、規制、命令、通達、条例、ガイドラインその他の規制もしくは税制の将来の変更がなされる可能性があります。また、ユーザーは自己の権限と責任において JPYW に関する税務申告の要否その他の課税に関する判断をしなければならないものとします。

6.6 ユーザーによる入力誤りその他の要因によるリスク等

 ユーザーの入力誤りその他のいかなる行為、ユーザー、第三者の通信・システム機器等の故障、障害もしくは稼働状況、天災地変またはサイバー攻撃その他のいかなる原因により意図しない取引結果となるリスクが存在する可能性があります。

6.7 ユーザー間の関係

 当社サイトに関連してユーザーと他のユーザーまたは第三者との間において生じた取引、連絡、紛争等については、ユーザーの責任において処理および解決するものとし、当社はかかる事項について一切の責任を負いません。

6.8 JPYW の発行ないし流通の停止等によるリスク

 JPYW の発行ないし流通の停止、終了、または変更、ユーザーのメッセージまたは情報の削除または消失、ユーザーの登録の取消し、本サービスの利用によるデータの消失または機器の故障もしくは損傷、その他の事項に関連してユーザーが被った損害につき当社は一切の責任を負いません。

6.9 附則

 本ホワイトペーパーは 2022年 4月 1日に作成し公表する。
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概要
1 プロジェクトの動機
1.1 暗号資産と実社会の壁
1.2 国境の壁
1.3 現在と未来の壁
2 JPYWのソリューション
2.1 価格維持を実現する仕組みについて
2.2 JPYWの法的性質
2.3 JPYWの利用方法
2.4 JPYWの発行量
3 JPYW の購入方法
4 JPYW のガバナンス
5 発行体について
6 免責事項
6.1 JPYWの財産的価値そのものに関するリスク
6.2 秘密鍵の喪失によるJPYW損失リスク
6.3 イーサリアム等プロトコルに関連するリスク
6.4 マイニング攻撃のリスク
6.5 法令等の変更および課税リスク
6.6 ユーザーによる入力誤りその他の要因によるリスク等
6.7 ユーザー間の関係
6.8 JPYW の発行ないし流通の停止等によるリスク
6.9 附則